「肩がこって辛い・・・」
介護の仕事は体を動かすのはもちろん、パソコンでの書類業務も少なくなく、肩こりに悩んでいるという方も多いのではないでしょうか。
こっている肩を動かすと「ゴリゴリ…」と動かしにくさを感じることもありますが、何が原因なのか気になるところです。
今回は理学療法士として普段から肩の治療を行なっているsyuseiが、肩こりやゴリゴリの正体を解説します。
【悩まされている人多数】ゴリゴリ音の正体は?
肩こりは、老廃物が体内に溜まることで肩の周辺にある筋肉や筋肉の繊維や束を包んでいる膜である筋膜が硬くなることが原因で起こります。
老廃物が溜まっていった結果、筋肉を構成する筋線維が収縮すると肉体のパフォーマンスが落ち、肩の関節や肩甲骨の動きが制限されて腕や肩甲骨を動かすときにゴリゴリと音がなってしまうのです。
中でも肩甲骨は肩や背中、首などに繋がるたくさんの筋肉で支えられており、動きが悪くなりやすくなっています。そのため肩こりといっても、背中に近い肩甲骨の動きを悪くすることが多く、ゴリゴリとした音を生じさせてしまうのです。
【肩こりや肩のゴリゴリの原因って?】姿勢や生活習慣などさまざま
肩こりやそれによるゴリゴリとした音の原因である老廃物が蓄積される要因は1つではなく、たくさんの要素が絡み合って生じています。
具体的には以下のような事があげられます。
- ・悪い姿勢を続ける
- ・運動不足
- ・筋力低下
- ・冷え
- ・過労
- ・ストレス
- ・加齢
これらの要因が重なると肩の周辺にある筋肉や筋膜が常にストレスのかかる状態にさらされ、老廃物が溜まりやすくなっていくのです。
また、肩こりは首や肩、背骨に関連する病気、内科や眼科に関する病気などによっても引き起こされることがあります。
例えば、パソコンなどのモニターを凝視するような仕事で、目の疲れが肩こりに影響するといったことは聞いたことがあるかもしれません。
これは視点を合わせるためにピントを何度も調整することで、血液の流れなどを調整する自律神経の機能が狂ってしまったり、目の周囲にある筋肉の疲労がたまったりすることが原因で肩こりを引き起こすためです。
以上のように肩こりはさまざまな要因が含まれますので、ただマッサージするのではなく、原因をしっかり理解して自分に当てはまる部分を解消していくことが大切です。
【パソコンの高さは、このような台で調整することがおすすめ】
原因別!肩こりや肩のゴリゴリを解消するポイント
原因さえわかれば、解消する方法を実践することで、辛い肩こりとサヨナラできます。
私が日頃から実践している解消方法を原因別に紹介します。
【姿勢が悪い方は】ストレッチ・筋膜リリース(肩甲骨はがし)・ツボ押しなどを活用
姿勢が悪かったり、同じ姿勢を続けたりすることが原因である場合は、ストレッチや筋膜リリース、ツボ押しなどでこり固まった筋肉や筋膜をほぐすことが大切です。
【理学療法士直伝】肩こり解消ストレッチ
- 【首の筋を伸ばすストレッチ】
1.右手で左耳をつかむように頭を押さえる。
2.そのままゆっくりと力をいれ右側に頭を傾ける。
3.その状態を15秒キープする。反対側も同様に行う。
これを3~5回ほど繰り返しましょう。
- 【肩甲骨を伸ばすストレッチ】
1.両手を肩の上に乗せる
2.すこし腕を上げ、両肘をくっつけましょう。肘同士をくっつけたらそのまま下から上へと上げます。
※この時肩甲骨が離れるよう意識して行うとGOOD!
3.肘が上まで上がったら今度は後ろの方へおろしていきます。この時は肩甲骨がくっつくように意識して行います。
1周を10秒かけてゆっくりまわしましょう。
【姿勢が悪い方は】姿勢改善グッズやストレッチで姿勢美人を目指して肩こりともおさらば!
肩こりとおさらばするには原因から解消していくことが必要不可欠です。
姿勢の悪い状態で過ごし続けていると猫背になってしまったり、肩こりも悪化してしまう可能性がありますので今回ご紹介する姿勢改善ストレッチをぜひ毎晩やってみてください。
【背中美人と肩こり解消を同時に叶える!】猫背改善ストレッチ
- 1.壁に背を向けて背中をぴったりとくっつける。
2.両腕をまっすぐあげる。
3.壁に沿うように90度まで下す。
これを5~10回繰り返しましょう。
【運動不足による筋力低下を実感している方は】筋力をつける
運動不足で筋肉が衰えてしまっていると姿勢や肩甲骨の動きが悪くなるため、適度に運動をすることが大切。
肩とは関係のないようなウォーキングやプールでも全身の筋肉を効果的に鍛えることができ、血流も改善されるため肩こり解消にオススメです。
【冷えなどの生活環境でお悩みの方は】普段の生活環境を見直してみる
普段からクーラーや扇風機に長時間当たったり、体に合っていない椅子を使ったりしていませんか?そのような普段の生活から肩こりが引き起こされているケースも多くあります。
そのため、そのような環境を出来るだけ改善していくことが肩こり解消につながるのです。
例えば室内温度の見直しや、パソコンのスクリーンの位置を目線の高さにする、キーボードの位置を近くするなどといった工夫で肩への負担を減らすことができます。
【ストレスなど心身の疲弊にお悩みの方は】リラックスできる時間を作る【頑張りすぎは禁物】
普段当たり前にこなしていることが「当たり前」になりすぎてはいませんか?
心は鈍くなっていても体はとても正直です。肩こりのような「痛み」として影響が出ている場合は一度ペースを落としたり、リラックスできる空間に身を置くこともとても大切。
そのようなストレスの解消が結果的に肩こりの改善にも繋がっていきますよ。
肩こりやゴリゴリの原因を知り自分なりの対処法を実践しよう!
肩こりやゴリゴリの正体がわからない場合、どのように対処すればいいか困ってしまうでしょう。
しかし今回ご紹介した内容を知ってもらえば、自分なりの対処法を見つけ出すヒントとなると思います。
もちろん病気による肩こりもあるため、なかなか肩こりが解消しない場合は整形外科などの病院を受診されることをオススメします。
また、自分自身でうまくほぐしたり、運動したりできない場合は、フィットネスやマッサージにいって指導してもらうのも手段の1つです。
ぜひ色々な方法を試して、肩こりを無くして元気に介護の仕事に取り組んでいきましょう。