
・男性/20代/山口県
・福祉系専門学校所属(当時)
・実習期間:2年間
どんどん進行していくうつ病患者さんの症状
福祉系専門学校のカリキュラムで、精神的病を患っている方々のサポートの実習を受けました。
その時、実際に患者さんと接して学んだこと、体験したことなどをお話しします。
私がサポートをしていたのは、うつ病を患った患者さんでした。
ここでは、仮にAさんと呼ばせていただきます。
うつ病の患者さんは、自動的な不安や悲しみに襲われます。
Aさんも、最初は楽しいことが起きれば楽しいと思う感覚も残っていました。ただ、何もしないでいるとどんどんイヤな気分となっていってしまうようでした。
「何も良いことがない」
「自分はダメだ」
「何をしたってムダ」
という気持ちが常にAさんの中に湧き上がっていたようです。
Aさんは、症状が進むと悪いこともないのに泣いたり、何か悲しい出来事があった時、気分転換をしても悲しい気持ちを忘れられなくなってしまいました。
こんな風になりたい、という希望もなくなり、前向きな努力がしづらくなっていました。
それから、外出する気がなくなる、着替えや洗顔、入浴をするのが面倒、布団から出られない、といったように、症状は進んでいきました。
うつ病の症状の1つで「やらなきゃいけないという意識が残っているのにどうしても手を付けることができない」精神運動抑制の状態でした。
患者さんの状態がどんどん悪くなっていくのは見ていて辛いですね・・・
働くAさんを襲った「うつ病」
Aさんは働いている方でしたが、うつ病になり、仕事をする上で様々な障がいが出てきていました。
最初は勘がにぶる、アイデアが浮かばない、などの異変があったそうです。
それから物事の優先順位が分からなくなってきて、からだの動きが遅くなったり、口数が減ったり、自分の意見が言えなくなることも起きてしまいました。
Aさんは若い方でしたが、物覚えが極端に悪くなったりもしたようです。仕事の能率も落ちてきて、「まわりに申し訳ない」という自責念慮という考えが出てきました。
そうなると悪循環が始まって、症状がどんどん進んでしまいました。
うつ病を発症した患者さんは、症状が進むと「自分でも何をするかわからない」という状態になるそうです。
そして、最終的には自然と「死にたい」と思うようになってしまいます。
幸いAさんはそこまでの状態にはなりませんでしたが、そうして思い詰め、決心して死んでしまう人や、意識せず自殺してしまう人もいるんだということ改めて深く考えさせられました。
仕事で感じた異変が気持ちのSOSだったんですね
精神的病の患者さんの辛さ、サポートする難しさ・・・
私がサポートしていたAさんは比較的重い症状ではなかったので、1日中精神状態が悪いということではなく、気持ちに波があるようでした。
しかし、重度の精神的病を患っている方は、激しい動悸、胸の苦しさ、息苦しさ、めまいなどを伴う強い不安と恐怖に突然襲われることがあり、一過性の心臓発作を起こすこともありました。
精神的病は急に治るということは難しく、良くなったり悪くなったりしながら慢性的に経過していきます。
そうした患者さんの辛さと、それを見守りサポートする難しさ・・・実際に関わってみて多くのことを学ぶことが出来たと感じています。
介護資格のなかには、精神的なケアに特化したものもあります。以下の記事も合わせてご覧ください。
【精神保健福祉士はどんな仕事?】働き方や給料について解説!
うつ病で苦しむ方に丁寧に寄り添おうとするたけるさんの姿勢と真剣な想いがとてもリアルに伝わってきました。
たけるさん、素敵な体験談をありがとうございます!
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ヘルなび編集部のめぐみです。
料理とお酒と漫画が好きなアラサー主婦ライター。
ストレス発散の方法は休みの日に大皿いっぱいのごはんを作ること!
最近はサウナにハマってます。
旧ヘルパー2級、介護福祉士、食品衛生責任者の資格所有。
介護士として7年ほど働いていました。
まだまだ未熟ですが、現場で気付いた介護の面白さを伝えられたらなと思います!