新型コロナで揺れる福祉の現場~デイサービス施設管理者の思いとは

新型コロナで揺れる福祉の現場~デイサービス施設管理者の思いとは

感染者拡大を続ける新型コロナウイルス。強い感染力による集団(クラスター)感染と高齢者や基礎疾患のある方が重症化するリスクが高いことから、福祉業界に特に大きな不安の影を落としています。

障害者福祉の仕事を16年以上続け、現在は放課後等デイサービスの施設管理を行うケニーさんに、施設管理者の立場から新型コロナの影響について伺いました。

障害福祉の支援現場で施設管理者を行っているケニーです。新型コロナウイルスは、福祉施設にどんな影響を与えたでしょうか。またそれがきっかけで明らかになった問題は何でしょうか。福祉施設管理者の目線から、利用者と職員への思いをお話しします。また、『コロナ騒動』を乗り切った先の福祉業界についても考えていきます。

新型コロナウイルスが福祉施設に与えた影響

2020年(令和2年)4月現在、世界中で新型コロナウイルスが猛威を奮っています。生活への影響はもちろん、福祉施設に対しても大きな影響を与えており、その影響の一つに『良質なサービス提供ができなくなった現実があります。

これは物資面の不足や人員の不足により引き起こされたもので、この騒動が起こるまでは問題が意識されにくかった側面があります。

ご存知の通り三密を防ぐためには、環境面を整える必要があります。感染リスクを防ぐために人員調整を行い、必要な職員が揃わないという事態も引き起こしました。

私が管理者として携わっている障害児が通う施設『放課後等デイサービス』では、利用定員をオーバーしての引き受け、さらには職員が欠如してもサービス提供を続けるよう行政から依頼のあった地域もあり、現場は揺れに揺れました。

当然『良質なサービス提供ができなくなった現実』が待ち構えていたわけですが、行政からの依頼と利用者・家族からの要望に応えるべく、最大限の努力をしていたのが現場職員です。

そしてそれは、今現在も続いています。

マスクを付けた女性

この騒動により明らかになった問題点

現場が大きく揺れるなか、一つの問題が浮き彫りになりました。現場職員ならば誰しも一度は感じたことがあるだろう『現場と管理者の気持ちの乖離』です。

今回のような異常事態での支援の困難さを、施設の管理者は気が付くことができたでしょうか。情報が発達した世の中ですので、現場の声はニュースなどでも知ることができます。それでもそのことを受け止めた管理者は、一握りだと思います。

現場との気持ちはどんどん離れ、やがてこの仕事を辞めてしまう職員が数多く出る日も、遠くはないのではないかと思います。

普段は意識しなかった、または意識の奥底にあった立場による乖離が、コロナ騒動の影響で違和感として意識するところに出てきたのではないか…そんな風に感じます。

管理者の気持ちと求められる対応

施設の管理業務は非常に難しいものです。管理者としては、つい経営的な目線になりがちですが、現場の声を無視するようではなりません。特にこのような異常事態が引き起こされている今、バランス感覚が非常に大切となります。

また、現場と利用者を繋ぐ役割も果たさなければいけません。利用者とその家族の希望が現場でどのように反映されているのか管理することも必要だと思います。デスクに座って数字とにらめっこばかりしている管理者では、現場からの協力は得られません。

私は常に、現場職員のことを把握するよう努めています。その日の体調や仕事の向き合い方などはもちろん、今の状況が職員にどんな影響を与えているかを考えて、各種の調整を行っています。

利用者への対応は関係機関と連携しつつ、必要な支援をどのように提供するかその必要性を見極め、現場に任せていく視点が必要だと思っています。

【介護現場の施設長、管理者なら以下の記事もご覧ください】

【介護施設施別】施設長・管理者に必要な資格と求められる能力とは?

『コロナ騒動』の先にあるもの

ここまではコロナ騒動が福祉施設に与えた影響を考え、施設管理者としての私の考え方を述べました。最後にコロナ騒動の先について考えてみたいと思います。

コロナ騒動の影響で、現場職員・管理者・利用者・家族・行政など、あらゆる立場から福祉施設が語られることとなりました。

現場職員と管理者間の乖離が表面化したことについて述べましたが、今後さらに良質なサービスを提供するために、あらゆる立場間の距離を埋めていく必要があると思います。

これはお互いの歩み寄りが必要になることであり、簡単ではないかもしれません。しかし今こそ団結するときだとも思うのです。

管理者は、現場職員が生き生きと支援できる環境を作り上げる必要があります。利用者と家族も自身の機能を果たしつつ、適切な支援量でサービスを受けることが大切だと思います。

行政には、現実と実態をもっと知ってもらいたいです。もちろん、私たちも伝え続ける必要があります。福祉サービスを長く提供できるように、ほんの少しの改革が必要かもしれないと思います。

新型コロナウイルスは、人類にとって憎いウイルスであることは間違いありません。しかし、これは夢ではなくまぎれもない現実です。私たちは現実を受け止め、対処していかなければいけません。

私たちにできることはこのコロナ騒動から学んだことを活かし、次の世代の福祉を創ることだと思います。

介護車

まとめ

こうしている今も現場職員は頑張っていることでしょう。苦しい状況の中、いい支援を心がけている職員は数多くいます。応援し協力してくれる利用者と家族もたくさんいます。このような状況で、施設管理者として何ができるでしょうか。

私としては、厳しい状況ではあるものの、今を乗り越えほんの少し先の未来に希望が持てる

そんなサービス提供をしていきたいと思います。

Posted by ケニー

【ケニーさん運営サイト】

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※掲載情報につきましては、 2020年04月15日公開時点のものです。 施設情報・制度・資格などにつきましては、改定などにより最新のものでない可能性があります。必ず各機関や団体、各施設などにご確認ください。