今回の体験談をお話しいただいたのは…
- ペンネーム:吉田雄也
- 性別:男
- 年齢:当時28歳
- 地域:滋賀県
- 転職前の職業:生産管理
- 転職先施設:特養
私は現在、とある介護施設にて、当直として勤務している介護士です。私は2018年から2019年までの間、滋賀県内にあるまた別の特養にて、フルタイムの介護職として勤務していました。
結論から言ってしまうと、この特養を選んでしまったのは、「失敗だったな」と感じています。
介護業界に興味を持っている人は、ぜひ参考としてください。
最初から「特養」を選んでしまった
介護未経験の状態で「特養」を選んでしまったのは、大きな失敗・判断ミスだったと振り返っています。
なぜなら特養は、さまざま種類がある介護施設でも、やや難易度の高い部類に入るから。
具体的には、
- あらゆる介護・介助をおこなう必要がある
- 365日24時間体制であり、トラブルが起こりやすい
- シフトが不安定
- 夜勤があるため、生活リズムを崩してしまうetc…
といったところが、少なくとも未経験の私には難しいところでした。普段の仕事も慌ただしく、「周りについていくのがやっと」という感じだったように記憶しています。
確かに特養はやることが多く、重度の利用者さんも多いので最初は苦労するかもしれません…。
人間関係は非常に悪かった
これは介護職に限った問題ではありませんが、人間関係は相当悪かったように思います。
そしてその人間関係の中に入り込んでしまったのは、大きな失敗でした。
私が働いている特養は、以下のような人材が配置されていました。
- 生活相談員(1名)
- ケアマネージャー(1名)
- ユニットリーダー(4ユニットなので、合計4名)
- 各ユニット担当者(合計15名程度)
うち、ユニットリーダー同士・ケアマネージャー・生活相談員の関係性が、非常に悪かったと振り返ります。
たとえば
- ユニットリーダー同士が「嫌い」という理由で、取るべき連絡を取らない
- 私の所属するユニットのリーダーが、生活相談員に対して「現場もわからないのに口を出すな」という姿勢でいる
- ケアマネージャーと生活相談員が、すぐにケンカをする
- ユニットリーダーの不満が、立場の弱いユニット担当者に八つ当たりという形でぶつけられるetc…
というようなありさまでした。
すべてを管轄する施設長も、人間関係の悪さについてはかなり頭を悩ませていたようです。
私たちユニット担当者は、不穏な雰囲気の中、ただやり過ごすことを考えていました。これは入居者へのサービスの品質を落とすことにもつながっていたと感じています。
ユニットリーダーの八つ当たりは、もちろん私にも飛んできました。
- 仕事を教えてもらえない
- 話しかけても無視される
- 少しでも間違いがあれば、大勢の前で罵倒される
- あたかも周囲が自分を嫌っているかのようなウソを吹き込まれる
- やってもいないミスをでっち上げて言いふらされるetc…
というように、今考えれば診断書を取って訴えて勝てそうな仕打ちがありました。八つ当たりもそうですが、もともと人間性に難があったと振り返ります。
もちろん私だけではなく、他の担当者にも似たような仕打ちがありました。中には所属するユニットを変える人もいました。
最悪の場合、辞めることになったというケースも、過去にはあったようです。
というように、悪すぎる人間関係の中へ飛び込んでしまったのが、大きな失敗でした。「人間関係の問題については、入ってからではないとわからないのでは?」という部分もあるでしょう。
しかし私の場合、入所前の段階で、スタッフに知り合いがいました。よって知り合いに対して、もう少しきちんとしたヒアリングをしておけばよかったと思っています。
人間関係が悪いと、利用者さんにもそれが伝わってしまい不安になります!
運営体制の不安定感
私がいた特養は、運営体制が不安定でした。
なぜなら、施設の運営がスタートして、半年も経っていなかったからです。
もちろん法的な問題はクリアしていましたが、「効率のよい運営ができていたか」と言われれば、まったくもってそうではありません。新しい施設について、大勢が戸惑いながら、手探りで方針を固めているような状態でした。
- ユニットごとの連携が取れていない
- シフトの提出ルールが曖昧で、欠員しやすい
- ケアマネージャーのスケジュールがわからず、必要なときにコンタクトできない
- 意味のないミーティングや打ち合わせが頻繁にあるetc…
というように、重大な問題がいくつも存在しました。
もちろん、介護施設の運営がスタートするときは、そんなものでしょう。ただ、つい最近まで「工場で鉄骨の品質をチェックしていた人間」が飛び込んでよい環境ではなかったのは確かです。
もう少し運営歴の長い施設を選ぶべきだったと思います。
まとめ
というように、私は当該特養に就職したことを、失敗だったと振り返っています。
大元の原因をたどれば、「介護業界・施設について、よく知らないまま飛び込んでしまった」というところだと思います。
もう少し深くリサーチしておけば、この施設で働くという選択はしなかったかもしれません。
今から介護職として働きたいと考えている人は、ぜひ念入りに下調べをしましょう。
「介護の仕事はどんなものか」・「入ろうとしている施設は、どのようなものか」・「運営歴はどれぐらいか」……調べることはたくさんあります。
転職の前に下調べするのは大切ですね。吉田さん、この度はためになる体験談をありがとうございました!

ヘルなび編集部のゆうきです。
3年間福祉業に従事後、IT業界へ。今はWEBライターをしています。 福祉用具専門相談員と食品衛生責任者の資格を持っていますが、活かす機会がなかなかありません…。
なんにでも興味を持つ性格で、趣味はゲーム、ドライブ、心理学、その他多数です。