エンジニアから介護職へ、転職体験の失敗談

エンジニアから介護職へ、転職体験の失敗談

介護転職の失敗談
今回お話しいただいたのは…。

  • ペンネーム:えふた
  • 性別:男
  • 年齢:30代
  • 地域:神奈川県
  • 転職前の職業:エンジニア
  • 転職先の施設:精神科病棟(1ヶ月で退職)→有料老人ホーム

介護の仕事を続けて10年経ちますが、元はエンジニアとして働いていました。

エンジニアの仕事自体は嫌というわけではなかったのですが、追われる納期に残業の日々、終電で帰るのは当たり前な環境。体育会系気質で、上司の命令には「できない」と言えず、自分らしく働くことができないでいました。

「このまま働き続けていいのか…。どうせなら人の役に立ちたい」

と思い立ち、転職を決意。

現在は介護の仕事を楽しんでいますが、様々な失敗も経験しました。これから介護の仕事へ転職を考えている人に向けて、私の転職体験談と失敗談をお伝えできればと思います。

「自分のやりたい介護」を考える

ひとえに介護の仕事と言っても、形態は多岐に渡ります。デイサービスに訪問介護、入所できる施設も特別養護老人ホームや有料老人ホームなど、たくさんの形態があります。その中から一つの事業所を選ばなければなりませんが、まずは「自分のやりたい介護」を考えてみましょう。

例えば、「しっかりと介護の知識や技術を学びたい」のであれば、24時間を通してケアに入るのことのできる特別養護老人ホームなどが適しています。また、「身体介護は自信がないけど、レクリエーションなど企画を考えて楽しみながら働きたい」というのであれば、レクリエーションに力を入れているデイサービスが適しているかと思います。

労働条件だけに着目するのは危険

転職先を探す際に労働条件は必ず確認すると思いますし、私もそうでした。しかし、労働条件だけに着目するのは危険です。

私が初めての介護の仕事の転職先に選んだのは、認知症や精神疾患の方が入院できる病院でした。理由は給与含め待遇が良かったからです。

初めての介護の仕事に緊張と期待を持ちながら臨みましたが、内容は想像と違っていました。特に衝撃だったのが入浴で、詳細を載せてしまうと病院の批判になってしまうので避けますが、ホスピタリティのかけらもないような対応をしていました。

「人の役に立ちたい」と考えて始めた介護の仕事でしたが、病院の環境では自分のしたい介護ができないと思い、早々に退職をしました。その後はいくつかの施設を見学し、利用者に対する接遇や、個別のケアに力を入れている有料老人ホームへ転職。労働条件は大切ですが、そこだけに着目せずに「自分のやりたい介護」ができるかを最初から考えて転職すれば良かったと気が付きました。

どのような形態があるのかを知ろう

初めは介護の仕事の形態がわからないと思います。

まずは何となくでも良いので「自分のやりたい介護」を想像してみた上で、どのような形態があるのかを調べてみましょう。また、可能であれば見学することをオススメします。調べてみて、実際に自分の目で見て、自分に合っているかどうかを確認してみましょう。

体育会系は注意?はっきりと「できない」と言う大切さ

最初の転職では失敗してしまいましたが、二度目の転職は有料老人ホームの介護職で、自分に合った職場を選ぶことができました。

しかし、働き始めてからも大きな失敗を犯してしまったことがあります。はっきりと「できない」を伝えられなかったことから招いた失敗です。これは、前職での体育会系気質な職場の影響や、運動部特有の原因がありました。

失敗のエピソードと、「こうしておけばよかった」という反省を含めて紹介させていただきます。

失敗談:介護の仕事において、業務を抱え込む危険性

まだ介護の仕事を始めて1年目、有料老人ホームでの夜勤中の出来事です。施設の入居者は60名で、それを夜勤者3名。単純計算で入居者約20名を夜勤者1名でケアすることになります。

入居者のナースコールで呼ばれた際には担当の夜勤者が対応しますが、ナースコールが複数鳴ってしまった場合は、他の夜勤者に助けを求めて手伝ってもらって対応をしていました。
そんな中、たまに転んでしまうAさんからのナースコールが鳴りました。

転ぶ可能性が高いため、安全の確認のために訪室した直後、施設で一番転んでしまう可能性の高い入居者のBさんのナースコールが鳴りました。重なるナースコールに対して私のとった行動は、たまに転んでしまうAさんに動かないように伝えて、転ぶ可能性の高いBさんの居室へ向かうことでした。他の夜勤者に「対応できない」と助けを求めるのではなく、自分一人で対処しようという行動です。

その結果、転ぶ可能性の高いBさんは安全の確保がとれましたが、Aさんは一人で歩かれて転んでしまい、大腿骨警部骨折という大ケガを負ってしまいました

後に上司とフィードバックを行いましたが、この時の私の行動は対応中のAさんの居室を離れたことによる過失と、自分で「できない」ことを伝えられなかった点の2つの指摘を受けました。

私は「自分でできることは自分でしなければいけない」「簡単にできないと言ってはいけない」という体育会系の考えが頭にあったため、人の命を預かる介護の仕事においては非常に危険である行動をとってしまっていたのです。

ケガを負わせてしまった入居者のこと、その時の「痛い」という声は10年経った今でもはっきりと覚えています

できないことはできないとはっきり伝える、利用者さまの安全のためには欠かせません。

一人ではなくチームで介護をする

介護の仕事は一人でするものではありません。ある程度の担当が割り振られていたとしても、入居者や利用者に危険が及ぶ可能性がある以上、他の職員を頼らなければいけない場面があります。自分が「できない」と助けを求めることは弱音ではなく、介護職として必要なことです。

ぜひ、「一人ではなくチームで介護をする」ということを知っていただきたいです。

今では職員を指導する立場にもなったため、自分の失敗を職員に伝えて、同じ過ちを犯さないように注意をしていますが、同じように他の職員に助けを呼ぶことができずにケガを負わせてしまう事故が起きたこともありました。

責任感が強く、弱音を吐かない。なんでも「できます、大丈夫です」と答える体育会系の人ほど、このような事故を起こす確率が高いような気がしています。

まとめ

エンジニアから介護職へ転職する際の失敗。介護職1年目での失敗。

今思えば、どちらも情報不足や固定概念にとらわれてしまっての失敗だったと感じます。

転職を考えている人は「自分のやりたい介護」を考え、施設の形態を知り、自分の目で見て働く姿を想像する。実際に介護職に転職した後は、今までの経験や固定概念にとらわれずに、介護職として大切な価値観や姿勢の情報を集めて仕事をする。

今はインターネットを使ってたくさんの情報を手に入れることができる時代なので、どちらも実践可能だと思います。

私もたくさんの失敗を経験して落ち込むこともありましたが、今は楽しく仕事ができています。介護の仕事はたくさんの学びがあると感じているので、迷っている方は前向きに挑戦していただきたいです。

そんな中で、私の失敗が皆さまのお役に立てれば幸いです。

転職の時も転職後もためになるお話でしたね。えふたさん、貴重な体験談をありがとうございました。

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※掲載情報につきましては、 2020年11月03日公開時点のものです。 施設情報・制度・資格などにつきましては、改定などにより最新のものでない可能性があります。必ず各機関や団体、各施設などにご確認ください。