自宅で高齢の家族を介護できなくなった時に、頼りになるのが老人ホームです。
入居するとスタッフが介護や身の回りの援助をしてくれるのは助かりますが、気になるのが費用ではないでしょうか。入居する際の一時金や月の利用料はホームによって異なりますが、多くの人にとって経済的負担になることは間違いありません。できれば費用を抑えたいですよね。
今回は老人ホームの費用を抑えるためにできる、5つの方法を紹介します。
老人ホームの費用を払えなくなると起こること
初めに老人ホームの費用を払えなくなると、どのようなことが起こるのかを見ていきましょう。
介護度の上昇により介護費用が入居当初よりもかさんだり、月の利用料金を支払ってくれていた家族の失業によって支払い継続が困難になったりと、入居後に費用を払えなくなる人もいます。
費用の支払いが滞ったからといって、すぐに退去となるわけではありません。入居時の契約書に詳細が書かれており、強制退去までは1~2カ月ほどの猶予があるのが一般的です。ホームは入居者本人とよく相談をしたり、身元引受人に連絡をしたりして、何とか費用を払ってもらう方法を模索します。それでも支払いをすることができないと、退去となると思いましょう。
もっと費用が安い老人ホームを探したり、場合によっては生活保護を受給したりすることもあります。
老人ホームの費用を抑える5つの方法
せっかく入居できた老人ホーム、できれば長く滞在をしたいと思うのは当然ですよね。老人ホームの費用を抑えるためにできる、5つの方法を見ていきましょう。
入居一時金を一括で支払う
1つ目は入居一時金を一括で支払うことです。多くの老人ホームでは賃貸アパートやマンションでいうところの敷金に該当する、入居一時金を設けています。入居一時金の額はホームごとに異なりますが、場所によっては数十万から数百万円かかることも。支払い方法は入居時の一括払いか、分割払いが一般的です。
一括払いと分割払いを選べるホームの場合、一括払いにすると分割払いよりもトータルの金額が安くなることが少なくありません。一時的な負担は大きいですが、長い目で見ると一括払いの方が費用を抑えることができますね。
築年数が経過している、または駅から離れたホームを選ぶ
2つ目は築年数が経過している、または最寄り駅から離れた場所にあるホームを選ぶことです。
毎月支払う利用料にはホームでの食費や管理費、雑費などが含まれていますが、最も多いウェイトを占めているのが賃料です。一般的な賃貸アパートやマンションは築年数が新しく、また駅から近い好ロケーションにあるものの賃料は高いですよね。老人ホームも同じです。建物が新しく、立地が良い場所にある老人ホームの賃料は高めに設定されています。
反対に築年数が経過しており、駅から離れた場所にあるホームは賃料が低めに設定されているため、毎月の費用を抑えることができるでしょう。建物が多少古くても、きちんと掃除が行き届いていれば快適な生活も可能です。
都心から離れたホームを探す
都心から離れたホームを探すのもよいですね。前述した通り、老人ホームも賃貸物件と同じように立地条件がよい場所は賃料が高く付きます。
東京都心や名古屋、大阪などの大都市にある老人ホームではなく地方にあるホームの方が賃料は安く、費用を抑えることができるでしょう。
買い物や洗濯は家族が行う
4つ目は買い物や洗濯を家族が行うことです。日用品の買い物や衣類の洗濯をホームにお願いすると、利用料とは別にお金を徴収されることが少なくありません。1回あたりの料金はさほど大きくはありませんが、回数が重なると自然と費用もかさみます。
日用品の買い物や洗濯は、できる範囲で家族が行うことで費用を抑えることが可能です。
相部屋のホームを選ぶ
最後は相部屋のホームを選ぶことです。従来の有料老人ホームは個室が主流でしたが、最近は相部屋のホームが登場してきました。相部屋は個室と比べて利用料が安く設定されています。
ただし当然他人の話し声や生活音などは聞こえるため、プライバシーを大切にしたい人には不向きでしょう。
老人ホームの費用を抑える際は、何を優先させるかを整理してみよう
老人ホームの費用を抑えるための方法を紹介しましたが、大切なのは何を優先させるかです。
いくら費用が安いからといっても、知らない人とのコミュニケーションが苦手な人が相部屋の利用は苦痛ですよね。また安い地方の老人ホームに入居しても、例えば家族が毎週末のように新幹線で通っていては交通費がかさみます。
費用を抑えることを考えつつ、どのような生活を送りたいのか、生活する上での優先事項は何なのかを一つずつ整理してみましょう。すでに介護保険サービスを受けている人は、担当のケアマネジャーに相談してみるのもよいですね。
まとめ
高齢の家族を介護や身の回りの援助をしてくれる、頼もしい存在が老人ホームです。安心した生活を送ることができる反面、入居後に毎月の利用料を払えなくなってしまう人もいます。
老人ホームの費用を抑えるには入居一時金を一括で払ったり、地方にあるホームを選んだり、買い物や洗濯を家族が行ったりすることが大切です。
ホームで生活する際に何を優先させたいのか、どのような生活はゆずれないのかを整理してみるとスムーズに選択が進みますよ。
(Posted by Ahmad)

ヘルなび編集部のゆうきです。
3年間福祉業に従事後、IT業界へ。今はWEBライターをしています。 福祉用具専門相談員と食品衛生責任者の資格を持っていますが、活かす機会がなかなかありません…。
なんにでも興味を持つ性格で、趣味はゲーム、ドライブ、心理学、その他多数です。