育児と介護は両立できる?【ダブルケア】の問題点と対策

育児と介護は両立できる?【ダブルケア】の問題点と対策

介護と育児のイメージ

子育て世代に突如降りかかる肉親や義理の父母の介護の問題。予想外の出来事に生活は一変してしまいます。現在、自分の子供の世話と肉親の介護を両立すべき家庭が増加傾向にあり、早急な対策が求められています。

ダブルケアとは

データで見るダブルケアのイメージ

ダブルケアとは、子育てと親や親族の介護が同時期に起こってしまう状態のことを言います。女性の晩婚化や、出産年齢の高年齢化により、昔に比べて子供が小さいうちに、親や親族が要介護状態になるケースが増えてきました

国民生活基礎調査によると、ダブルケアを行っている者は30~44歳が最も多く69.3%を占めています。さらに、統計によると全国でダブルケアをしている人は25.3万人にもなり、そのほとんどが女性であるとされています。

これまでは、介護と仕事の両立や、子育てと仕事の両立が社会問題として注目されてきました。しかしこれからは、介護・育児・仕事のそれぞれが絡み合ったものとして、対応を考慮する必要性があります。一人で抱え込まず、家族で相談したり、育児や介護、行政のサービスなどをうまく利用する必要があります。

ダブルケアの現状

育児と介護の両立のイメージ

ダブルケアを行う家庭では、仕事と介護と育児に追われ、時間の余裕がなくなってきます。子供の急な発熱や怪我、運動会やPTAなどの行事によって仕事を休むだけでなく、家族の介護状況によっても仕事を休む場合が増えてきます。職場に迷惑をかけているという罪悪感もあり、女性の3人に1人、男性では4人に1人が離職を余儀なくされています。

ダブルケアの問題点

ダブルケアの問題点などのイメージ

自身や配偶者の親が要介護状態となると、「自分が介護をしなくては」と気負ってしまいやすくなります。はじめは気力が充実していても、育児と介護の負担により徐々に肉体的・精神的に疲弊してしまいやすくなります。育児や介護が中心の生活になってしまい仕事の責任が果たせなくなり、結局仕事を辞めてしまう人も多くみられます。離職の結果、別の大きな問題が生じ、介護者を苦しめます。特に大きな問題となるのが、経済的問題、精神的重圧、子供への影響などが挙げられます。

経済的な負担

ダブルケアを行っている家庭は、育児費用に加えて介護費用も必要となります。育児と介護に費用が必要になるにもかかわらず、仕事の時間を確保することが困難になり、離職を余儀なくされている人も多くみられます。退職により収入が減ってしまうため、今後のライフプランを練り直す必要が出てきます。特に育児中の人にとっては、子どもの学費や保険についても制限せざるを得ないかもしれません。

精神的な負担

育児と介護は女性が中心という考えが色濃く残っており、ダブルケアの担い手は圧倒的に女性が多いのが現状です。いつまでこの状況が続くのかと、先の見えない不安から精神的に重圧を感じやすくなります。また、経済的負担も増えることからより将来への不安はつのっていくでしょう。収入が減ることで必要な費用の確保が困難となり、家族関係にひびが入る場合もあります。育児や介護に従事すればするほど、育児と介護が中心の生活となり、社会から孤立をしてしまうケースも生じます。

子供への影響

介護の時間が増えるにつれ、子供と接する時間が削られてしまいます。介護を理由に子供の行事に参加できなかったり、家族旅行が制限されたりと、子供にも寂しい気持ちや不安感を与えてしまいます。子供によってはおねしょが増えたり、口ごたえするようになったりとなんらかの症状が現れるかもしれません。

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ダブルケアの対策

ダブルケアの解決策のイメージ

国の施策を利用する

平成29年1月1日に新しい育児・介護休業法が施行され、仕事をしながら育児や介護に従事している人及びダブルケアをしている人が、より介護や育児休暇を柔軟に取得できるようになりました。また、労働時間を短縮することもできるようになり、仕事を続けながら介護・育児に従事しやすくなっています。これらは労働者の権利であり、労働者から休業や時間短縮などの求めがあった場合には企業は速やかに対応しなければなりません。

自治体を支援を利用する

ダブルケアの対策に向けて様々な支援を行う自治体が増えてきました。大阪府堺市では、市内7か所の区役所で、ダブルケアの相談窓口を設置しました。相談窓口ではダブルケア支援の研修を受けた担当者が、悩みや相談を聞いたうえで必要なサービスや施設などの紹介も行ってくれます。
香川県では当事者が集まる「ダブルケアカフェ」を定期的に開催し、同じ悩みを持つ人が集まって悩みを話したり、弁護士や介護の専門家等のアドバイスを受けることができます。「ダブルケアカフェ」では、悩みを打ち明けることによって、孤立感が解消したり、気持ちが楽になったりと、少しでも当事者の精神的な負担の軽減が出来るように取り組んでいます。

家族とよく話し合う

ダブルケアの担い手は子育てをする女性一人ではなく、家族全員です。両親や子供、夫婦間でも意見を統一し、一人で抱え込むことは避けねばなりません。経済的な負担軽減の話し合いはもちろんのこと、介護者の負担軽減の方法なども話をしておく必要があります。また、今後のライフプランの練り直しや、その具体的な内容についてもしっかりと話をしておくべきです。

今後のダブルケアの展望

少子高齢化が恐るべきスピードで進む日本において、ダブルケアの問題は深刻な社会問題となっています。特に団塊の世代が75歳以上となる2025年には国民の3人に1人が65歳以上となり、介護が必要な人が急増することが予想されています。介護と育児の両立は政府にとっても急務なので、今後制度や自治体の支援が整備されていくでしょう。しかし、最も大切なのは、各家庭内で意見を統一し、孤立しないように家族間でサポートできる体制を作ることです。一人で頑張りすぎず、相談できる人や場所を確保しましょう。

(Posted by めっし~)

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※掲載情報につきましては、 2019年11月12日公開時点のものです。 施設情報・制度・資格などにつきましては、改定などにより最新のものでない可能性があります。必ず各機関や団体、各施設などにご確認ください。