介護職の退職、再就職の際に使える行政サービス

介護職の退職、再就職の際に使える行政サービス

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介護現場ではどの職種も人手不足が問題視されていますが、中でも介護職は離職率が高いことが挙げられます。

介護労働安定センターによる平成30年度の「介護労働実態調査」によると、離職率は15.4%。
およそ6人に1人の割合で退職している計算となります。

介護職員の就労状況は、非正規職員の採用率は高いですが、離職率も高く、勤続年数では1年未満あるいは1年以上3年未満の職員数が多いのが現状です。
そのため、介護職の方にとっては、退職や再就職の際に活用できる制度を利用する機会もあるはずです。今回は、もし退職や再就職を検討するのであれば、知っておくべき行政サービスや制度について徹底解説していきます。

参照:介護労働の現状について 平成30年度介護労働実態調査

社会福祉施設職員等退職手当共済制度

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社会福祉事業に従事する人材を確保し 、福祉サービスの安定的な供給と質の向上をはかることを目的に設立された退職手当制度です。

被共済職員には支給財源の負担はなく、国や都道府県、共済契約者の3者による負担と決められています。

90%もの社会福祉法人がこの制度を利用していますが、社会福祉施設の経営者(社会福祉法人)に対し、共済契約の締結は強制されていません。そのため、場合によっては条件を満たさないこともあるので、退職前に確認しておくことが必要です。

参照:社会福祉施設職員等退職手当共済制度のご案内

加入できる職員の要件

対象となる職員は、上記の共済制度の契約を締結している社会福祉施設や特定介護保険施設、申し出施設で常時従事していることが要件です。

注意すべき点として、雇用形態により、加入できる開始日が異なります。

具体的には、正規職員、もしくは1年以上の雇用期間を定められた職員で労働時間が正規職員の3分の2以上であるなら、採用日から加入となります。

一方、1年未満の雇用期間が更新により1年以上となった場合、正規職員の所定労働時間の3分の2以上の者は採用から1年を経過した日より加入できます。

いずれも非常勤職員、嘱託、パート等の名称で呼ばれる方も含まれるので、要件をきちんと確認しておきましょう。

必要な手続きと支給までの流れ

退職した場合には、福祉医療機構に「被共済職員退職届」、「退職手当金請求書」、「合算制度利用申出書」を業務委託先である都道府県社会福祉協議会等を経由して退職者と共済契約者から提出します。

申請が受理され、認められると福祉医療機構から退職した職員の指定口座に退職手当金が直接振込まれるようになっています。

退職手当支給額の例(普通退職の場合)

勤務期間 退職時本俸月額 退職手当支給額
5年間勤務 20万円 49万5900円
10年間勤務 22万円 114万8400円
15年間勤務 26万円 269万7000円
20年間勤務 28万円 572万4600円

※上記は一例です。

出展:WAM 独立行政法人福祉医療機構

このように勤続年数が長い程、まとまった額の支給があるので、就職先を選択する際にも制度があるのかどうか確認するのも良いでしょう。

再就職時に利用可能な支援サービス

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一定の要件を満たせば、介護職員として再就職する際に支援を受けることができる場合があります。

実施主体は、都道府県の社会福祉協議会などで、お住まいの地域によっては内容が多少異なります。

また、市町村によっては再就職支援講習会などを開催しているところもあります。
以下で制度やサービスの一例を紹介していきます。

再就職準備金貸付制度

都道府県の社会福祉協議会等が主導で取り組んでいる制度で、介護職として離職した介護職員が再就職するために必要となる「再就職準備金」を借りることが可能です。
対象資格には、介護福祉士、実務者研修修了者、介護職員初任者研修を修了のいずれかに該当し下記の3点の基準を満たす必要があります。

  • 介護保険サービス事業所等において介護職員として実務経験を1年以上有すること
  • 介護職員として再就職したもの
  • 再就職する日までにあらかじめ都道府県福祉人材センターに氏名および住所を届け既定の再就職準備金利用計画書を提出

貸付の上限金額は20万円(地域により40万円)で、利子は無利子となっています。

さらに貸付を受けた都道府県内の区域において2年間継続して介護職員等の業務に従事した場合には、返還も免除となるため、今後も介護職員として勤務される場合には利用を検討してみてはいかがでしょうか。

なお、地域によっては再就職の際の勤務時間や離職期間にも規定がある場合があるので注意が必要です。

参照:離職した介護人材の再就職準備金

介護職再就職支援講習

介護職の有資格者や経験者で就職を検討されている方を対象にした「介護技術(実技)」と「介護知識」を再確認する講習会です。
中には、再就職をするまでにブランクがあったり、ご自身の知識や技術に不安を持たれたりする方もいるでしょう。

主催は社会福祉法人や市役所などで、受講費やテキスト代などは無料で参加できる講習が多いです。
講習会の定員には限りがあるため、興味がある場合は、お住まいの地域の講習会情報を調べることをおすすめします。

まとめ

  • 退職や再就職前には活用できる制度を確認
  • ブランクや不安がある場合には講習会も検討
  • 各制度は地域により詳細が異なるので注意

介護職では、職場の人間関係の問題やライフイベントなどにより退職、再就職をする機会も少なくはありません。

そのため、ご自身の条件に合う制度を活用することで金銭的な負担や再就職への不安を解消できる場合があります。

もし、退職や再就職を検討されている場合には、関連制度に関して確認しておきましょう。

(Posted by 大世渡 渉)

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※掲載情報につきましては、 2019年12月17日公開時点のものです。 施設情報・制度・資格などにつきましては、改定などにより最新のものでない可能性があります。必ず各機関や団体、各施設などにご確認ください。