知っておきたい!【キャリアパス制度】の必要性とメリット

知っておきたい!【キャリアパス制度】の必要性とメリット

キャリアパス制度とは?
キャリアパス制度
という言葉はご存知でしょうか?
キャリアパスは、介護士の技量や能力を資格を取ることによって証明し、より良い環境で働けるように制定された制度です。

今回の記事ではキャリアパス制度の必要性や、介護士にとって動メリットがあるかを詳しくお伝えしていきたいと思います。

キャリアパス制度って何のためにあるの?

キャリアパス制度というのは、実は介護に限った話ではなく様々な企業で利用されている制度です。普通の企業であれば自分が望む職務に就く為に必要な経路をまとめたものをキャリアパス制度と言います。

携わった業務年数や必要なスキル、それまでに就いておかなければならない役職などをまとめたものです。しかし介護でこのキャリアパス制度をそのまま流用することは難しいです。

基本は対人関係だったり、評価基準が曖昧だったりして、実力以上の評価や逆に実力はあるのに評価されないといったことも起こってしまいます。
そこで介護のキャリアパス制度では評価されるべき人が確実に評価されるために、資格取得をキャリアパスとして制定しています。

資格取得の為には、介護をやる上で必要な知識や技術を審査する試験を受けなければなりません。一定年数以上の実務経験を受験条件に設定している資格もある為、経験と知識両方備わっている優秀な人材が評価されやすくなります。

優秀な人材がより良い環境で働けるようになること、介護士全体のモチベーションアップと技術力向上が、キャリアパス制度の目的となります。

介護職員等特定処遇改善加算との関わりは?

キャリアパス制度と関わりがあるものとして、介護職員等特定処遇改善加算という制度があります。

これは平成24年度に介護職員の低賃金問題を改善する為に制定された制度で、ある一定の要件を満たした介護施設、事業所に職員の給与アップの為のお金を国が支給してくれるというものです。

そこから更に、平成29年度以降はキャリアアップ制度を利用することで昇給や労働環境を整備して介護職員の質と量の向上を目的にしています。

介護職員等特定処遇改善加算が貰える条件は?

介護職員等特定処遇改善加算とは?
キャリアパス制度と切っても切り離せない関係にあるのが介護職員等特定処遇改善加算です。

これは令和元年10月に制定された制度で、条件を満たすことで追加で介護報酬を加算して支給して貰える制度になります。その目的は技能・経験のある介護職員の更なる処遇改善を目的とし、介護リーダーを中心とした、優秀な人材の賃金を全産業の平均年収でもある440万円に引き上げる為の取り組みです。

支給対象者は基本は勤続10年以上の介護職員(介護福祉士の資格を要する)になりますが、他の施設での勤続年数を合わせたり、施設内の能力評価に基づき10年以下の職員を加算対象にすることも事業所の裁量である程度の設定が可能です。

特定処遇改善加算は勤続年数の長い介護職員の為の精度ではありますが、加算された分の金額の配分は事業所の裁量次第となっています。但し、特定処遇改善加算本来の目的から逸脱しないように、一定のルールの下での話です。

ルールを簡単に纏めると以下の3つになります。

 

  • 対象の職員の年収の見込み額が440万を超える人か、月8万の処遇改善を受け取れる人がいる場合。
  • 対象の介護職員の平均引き上げ額が、他の介護職員と比べて2倍以上にすること。
  • 介護職員以外の平均引き上げ額が、対象外の介護職員の引き上げ額の半分以上にならないこと。

 

が条件になります。

特定処遇改善加算が何故キャリアパス制度と関係があるかというと、以前から制定されていた介護職員処遇改善加算が介護職員全体の給与アップで処遇改善を目指していたのに対し、介護職員等特定処遇改善加算は一定以上の技能・経験を持ったリーダー級の職員の処遇改善を目的にしているからです。

介護業界のイメージとして賃金が安い、昇給が貰えず長く同じところで働いていも給料がほとんど変わらないというネガティブイメージを一般的に持たれている方も多いです。そのネガティブイメージを払拭し人材不足の解消を目指すという意図があります。

これはキャリアパス制度ともつながる話で、より高い技術・経験を身に付けキャリアパス制度でレベルの高い資格を取得する。

そうすると、ベテランの相応の賃金が発生する職員であるという事を証明できる為、特定処遇改善加算での恩恵や、給与アップや実力相当の役職に就任することができるようになります。

給与が増えればモチベーションも上がり、より仕事に対して真剣に取り組めるようになる為施設全体の質、評価もあがり介護業界全体が良い方向に向かっていくことになるという考え方です。

特定処遇改善加算ですが、実は勤続年数10年以上の介護福祉士がいない状態でも加算を取得できる場合もあります。

この場合その施設か事業所が3つの条件を満たしている必要があります。

 

  • 処遇改善加算の加算1~3の取得。
  • 職場環境等要件に記載されている「資質の向上」「労働環境・処遇の改善」「その他」の区分の中から1つ以上の取り組みを行こうこと。
  • 厚生労働省にある「介護サービス情報公表システム」、ホームページの掲載などを利用し「見える化」を行う。

 

簡単に纏めると上の3つが条件になりますが、事業所が行うべき内容なので介護職員にとってはこれらが該当する施設は働きやすい環境が多いぐらいのイメージで良いと思います。

キャリアパス制度の介護士のメリットは?

キャリアパス制度が実装されるとどのように介護士にメリットがあるのか、良く分からない方も多いと思います。

そこで介護労働安定センターから出ているキャリアパス制度の導入事例を引用し、どのようなメリットがあるのか説明していきます。

 

介護労働安定センターの導入事例(有料老人ホーム)

取組の背景

介護人材の不足が懸念される中、日々の業務に追われてキャリアパスの構築がされていない。人事考課制度や給料の等級表もできていない状況であった。人材確保、定着のためにもキャリアパス制度の構築は必要と感じていた。

そこで、今回、介護労働安定センターから案内のあったキャリアパス構築の支援事業に申込み、介護職員のキャリアパスを構築し、処遇改善加算(Ⅰ)を取得したいと考えた。

母体は医療法人で、理事長が介護部門を統括しているが、介護職員の処遇改善加算(Ⅰ)の取得に理解があることから、通所介護事業所の責任者として介護労働安定センターが実施する、県委託事業「キャリアパス構築支援事業」に参加することとした。

取組の内容

キャリアパスを構築するために取り組むべき内容の理解と実践をするために、1か月に1度開催の研修会に参加した。

研修会ごとに学んだ内容を自分の事業所に合わせて修正し、研修会後の個別支援において介護労働安定センターのアドバイザーの助言を受けながら取組みを進めた。

  1. 事業所の理念を再確認し、それを基に事業所の求める職員像を示し、基本フレームを作成した。
  2. 求める職員像に合致する職員を育成するための研修計画を作成した。
  3. 基本フレームの職位・職責の等級に合わせ賃金表を作成した(理事長と協議して決定した)。
  4. 現行の自己評価シートの見直しを行い、職員が理解し、判断しやすいものとした。
  5. キャリアパス構築に伴う就業規則の変更、給与規定等について、顧問の社会保険労務士に相談し、修正した。

以上の取組みを行い、介護職員処遇改善加算(Ⅰ)を申請すると共に、キャリアパスの運用に向けて、全職員へキャリアパスの要件を周知する。

取組の効果

1年後、2年後を見据えた取組みではあるが、今後以下のような前向きな効果が期待できる仕組みができた。

  • 職員の処遇を改善することで、仕事に対してのモチベーション向上を図り、専門的知識・技術を高めていこうとする意識を持ってもらえる。それにより、質の高い介護サービスを提供できるようになる。
  • キャリアパス構築により、自分の目標を持ち、将来を見据えた業務への取組み方を考えることができる。働き易い環境をつくることとなり、求人の際の人材確保と職員の定着に繋がる。
  • 同法人に通所介護事業所が2カ所あり、サービスの質の違いが悩みであったが、人事考課制度の運用により、解消される。

有料老人ホームでの事例になりました。取組の背景から日々の業務に忙殺されて、職員にあった給料の値上げができず人材の確保、定着が難しい状況であったということが分かります。

キャリアパス制度を構築しておくと、評価基準がハッキリとしているので忙しい中でも職員の能力に応じた評価ができるようになります。

キャリアパスを実際に構築することで職員の資格や役職、勤務年数などに応じた賃金表が作成され、職員が働きやすい環境構築に一役買っています。

賃金はキャリアパス制度の資格が左右することも多く、初任者研修、実務者研修、介護福祉士は取得していると給与に大きく影響することが殆どです。

例えば実務経験3年以上で取得できる介護福祉士は基本給から資格手当まで優遇され、仕事内容も全体をまとめたり、高い技術を所持している為現場リーダーとしての活躍を見込まれることも多いです。

逆に初任者研修のように未経験でも取れる資格は、給与面では介護福祉士に劣りますがその分能力を考慮され研修で学べる機会が増えたり、より上位の資格を取得する為の援助などでスキルアップの援助を施設から貰える場所も多くあります。

実務経験も考慮されることが多く、別の介護施設に転職したとしても勤務年数が長いとより良い条件で働くことができるように。

また、評価の為に研修や自己評価シートなど個人の技能の向上が見込める制度も充実しており、職員全体がよりレベルの高い介護士になれるような現場に変わっているのが見て取れます。

研修で学んだことをレポートにしてまとめ提出したり、他の職員に周知したりしていくことで知識を吸収しているということが分かり評価に繋がります。

認定介護福祉士を取得できるようまでは?

キャリアパス制度の最上位資格には認定介護福祉士という資格があります。認定介護福祉士は「一般社団法人 認定介護福祉士認証・認定機構」から制定されていてる民間資格で、介護福祉士よりも上の資格になり介護福祉士以上の知識と技術を持つと認定される資格です。

認定介護福祉士を取得するのに必要な資格は?

認定介護福祉士を取得するのに必要な資格は2つ。

実務者研修介護福祉士です。

実務者研修は未経験でも取得することができて、介護福祉士の取得条件にもなっています。介護に関しての知識や基礎的な技能を学ぶことができる資格でもあり、同じ未経験で取得できる資格に初任者研修があります。

初任者研修はキャリアパス制度の一番下に位置する資格ではありますが、特に上の資格を取る為の条件にはなっていません。その為、最初から実務者研修を取得することも可能です。

介護福祉士は3年以上の実務経験が受講に必須の資格で、所持していると高い介護技術と知識の証明になるベテランの証の資格です。取得の為には毎年行われている試験に合格しなければならず、受講の為には実務者研修の所持が前提条件となっています。

認定介護福祉士になるまでにはどのぐらいかかるの?

認定介護福祉士を取得する為には最低でも9年以上はかかります。

認定介護福祉士を取得する為には

 

  1. 実務者研修を取得し、実務経験3年以上積み介護福祉士の受講条件を満たす。
  2. 介護福祉士の試験に合格し、資格を取得する。
  3. 介護福祉士として実務経験5年以上働き「一般社団法人 認定介護福祉士認証・認定機構」が実施している研修を200時間以上受講。

 

といったことが最低条件です。

そこから更に実施する団体によって、リーダー経験や居宅、居住施設での生活支援の経験が考慮される場合もあります。

実務経験自体は8年あれば良いのですが、3年経過直後に介護福祉士を受講したとしても試験日の兼ね合いや実際の合格までの期間を考えると最短でも認定介護福祉士取得までに9~10年程度の期間はかかることになります。

費用は全部でいくら?

費用はどのくらいかかる?
認定介護福祉士までにかかる費用は細かく分けると実務者研修、介護福祉士、認定介護福祉士の受講料に加え、研修費がかかります。

実務者研修は所持している資格によって費用が変わりますが、無資格の場合だと20万前後であることが殆どです。初任者研修を所持していれば10万程度、基礎研修を受講していれば5万程度の費用です。

介護福祉士の国家試験の受験費用は令和2年4月時点で15,300円となっています。そこから更に合格後の登録手続きと手数料で合わせて12,320円かかるので最低でも27,620円の費用に。

認定介護福祉士Ⅰ類とⅡ類に分かれていて、合わせると60万程度、Ⅰ類だけなら35万程度での費用になります。ただし実施団体や自治体によって料金は異なるので、自分の居住区の費用は確認しておく必要があります。

全ての費用を合わせると、認定介護福祉士をⅠ類だけ取得したとしても60万は必要に。

実際には教本や、研修費、試験勉強のスクール代を合わせると100万程度は見積もっておいた方がよいかもしれません。

100万というと高額に感じますが、実際には取得までに9~10年はかかるので年間10万程度で済ませられます。施設によっては研修費を出してくれる場所もあるので、勤務している施設と相談してみるとより低い負担で受講できますよ。

キャリアパス制度のケアマネの立ち位置は?

認定介護福祉士と同じくケアマネもキャリアパス制度の最上位資格に位置しています。

ケアマネになる条件も介護福祉士と変わらないのですが、業務内容が相談業務など事務方の方になってしまい職種自体が変わってしまいます。その為、現場で働き続けたい場合は認定介護福祉士を取得した方が評価に繋がりやすいです。

【ケアマネージャーになりたいとお考えの方は以下の記事をご覧ください】

【保存版】ケアマネージャーになるには?ポイントまとめ

まとめ

キャリアパス制度は事業所側からすると、条件や提出しなければならない書類があり大変ですが職員側からすると自分の働きが評価されやすくなる制度です。

キャリアパス制度をしっかりとしている施設は、手当などが細かく設定されていたり給与形態が明確になっていることもおおく働きやすい環境が揃っています。

頑張って取った資格が評価されやすくなったりと、介護職員にとっては良いこと尽くめです。

長く働いていく為には環境が大切!キャリアパス制度がしっかりとされている場所で、働いて行きたいですね。

(Posted by にわたまこ)

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※掲載情報につきましては、 2020年05月27日公開時点のものです。 施設情報・制度・資格などにつきましては、改定などにより最新のものでない可能性があります。必ず各機関や団体、各施設などにご確認ください。